イタリアの保育園でモンテッソーリ教育

この記事を書いた人

イタリア人の夫を持つ在伊日本人妻。イタリアにて女の子を出産
在伊歴は5年程経つが、いまだにイタリア語初心者(!)
イタリアで日本人の為の情報を探すのは本当に大変・・・
というわけで忘備録を兼ねたイタリア生活情報を発信していきます。


サトウ

近年日本で大ブームのモンテッソーリ教育、我が子(もうすぐ3歳)が通うイタリアの保育園でも、もちろんモンテッソーリ教育が組み込まれている。

近頃いたるところで耳にするモンテッソーリ教育だが、イタリアでごく自然に行っている教育自体がモンテッソーリ教育と言う感じがしないでもない。

我が子の通う一日の保育園スケジュールは大まかに以下の通りである。

8時半~9時 登園

9時~10時 運動(ダンス、公園へ散歩等)

10時~10時半 おやつ

10時半~12時 遊び(絵、工作等)

12時 お昼ご飯

13時半~15時 お昼寝

15時~16時 自由時間

(朝と夕方は割増料金を払えば延長保育してもらえる)

ここに加え、週に1度体操クラスや英語クラスがあり、本屋さんに読み聞かせをしてもらいに行ったりするようである。いかに我が子が充実した毎日を送っているか想像に難くない。

私の堕落した日常とは比べるまでもないが雲泥の差である。こうして私がぼーっと暇を貪っている間に我が子はスクスクと成長していると思うと、私の日々も間接的に充実しているといえよう。これぞ子育ての醍醐味である。

保育園は不定期で写真を送ってくれるのだが、そこには保育園にセラピー犬が来ていたり、鷹と調教師と戯れる子の写真さえあった。

私の知らない間にとんでもない高等教育を受けているようであり感心である。先生たちには足を向けて眠れない。

うちの保育園は幼稚園も一緒になっているので、遊ぶときは上の年齢の子と一緒の事も多く、面倒をみてもらったりしているようである。

しばしば年長のお子達から「今日は彼女とたくさん遊んだよ!」と澄んだ眼で報告を受けるのだが、横にいる我が子の迷惑そうな目が何とも言えない。しかし子供たちは楽しそうにしているので、引き続き面倒を見ていただければありがたい。

保育園ではバイリンガル教育をしている模様で、これは各保育園によるが、バイリンガルだからといってそこまで授業料が高いわけではない。(保育園で1か月約6万円、幼稚園で3万5千円 1ユーロ=160円 円安の為今ちょっと高いかな・・・)カトリック色は強くなく、今のところ宗教を感じた出来事はない。

もちろん特殊な保育園、リトモ教育や、完全バイリンガル保育園なんかだと値段は段違いで高い。

こうして完璧に思えるイタリアの保育園は何よりも子供が主体である。そんなわけで、慣らし保育が2週間あったりする。

まず1週間目は9時から11時の2時間、2週目でやっと4時間。イタリアの職場も分かっているので許してもらえたりするのだろうけど、実際仕事をしている身としてはかなり大変である。

芝生で転がるうちの子。どうりで泥だらけ帰って来る思った

日本とイタリアに教育の差があるとすれば「適当さ」であろうと私は感じている。

我が子は他の子と遊ぶ事に対してさして興味がないようだが、これは完全に私の血筋である。私の家族は一家揃って他人への興味が欠落している故に、その血縁である我が子が他人に興味がないのは然るべく当然のことである。

しかし保育園ではそうした我が子の現状を「自立した子」と見てもらっているようで、無理して他の子と遊ばせるようなことはないらしく親としては一安心である。

唯一「お昼寝中に皆の事を起こして回った」時は怒られたらしい。そればかりは申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

その他、他の子達の水筒を隠れてテイスティングして回ったりもしているようで、保育園の先生には顔向けができない。

この様に自由にのびのびと我が道を突き進んでいる我が子だが・・・

日本に帰って友人の子供なんかと会うと、日本の子供はすごいと圧倒される。

まず一人で何でもできる

日本人から見たら普通なのかもしれないが、イタリアに住んでいる身としては日本の子供の早熟さは不思議でしかない。

実際イタリアの保育園の校長先生にも「日本の子供はなぜあんなに色んな事ができるのか?」と質問された事がある。特に一人で登校したり、電車に乗る小学生なんかは信じられない模様であった。(そもそもイタリアの場合は14歳以下は親が送り迎えする義務があるので、どんだけ自立した子でも一人で電車に乗ったりはできない。)

今はモンテッソーリ教育がもてはやされているようだけど、近い将来日本の教育の方がもてはやされる なんてこともありそうだなと個人的にぼんやり思っている。

テキスト