イタリアで自転車を買った話

この記事を書いた人

イタリア人の夫を持つ在伊日本人妻。イタリアにて女の子を出産
在伊歴は5年程経つが、いまだにイタリア語初心者(!)
イタリアで日本人の為の情報を探すのは本当に大変・・・
というわけで忘備録を兼ねたイタリア生活情報を発信していきます。



サトウ

子供の保育園も今年度は終わってしまい(イタリアでは6月末あたりに学校が終わり、そこから2か月強の夏休みに入る)

在宅で仕事しながら子の面倒をみるのは聖徳太子ならまだしも凡人の私には到底無理である、と思いサマースクールに通わせることにした。

サマースクールは保育園が開催している事もあり、通常保育よりも少々割高だが、アクティビティが充実しているので我が家は積極的に利用している。

値段は3週間で400ユーロ程度(今円安なので、大体6万4千円位。高い)

しかしそれもこれも我が子が楽しい夏を謳歌できると思えば安い、とは言い難いが仕方がない。

家から徒歩で通うにはちょっと遠かった為に自転車の購入に踏み切ったのであった。

イタリアで自転車を買うのはちょっと勇気がいる・・・・なんせ高い。

すこぶる高い

高い上にすぐ盗まれる

一番安価なもので3万位だが、自転車保持と盗難はセットである。

物事には常に因果があるが、イタリアで自転車を買えば盗まれるということは必然である。

新品が盗まれたら精神的ショックが大きいだろう、そして我が家に自転車に割く金はない、というわけで中古自転車を探すことにした。

まずFacebookのマーケットプレイスで探して、良い自転車が見つかったらすぐに連絡。トリノは自転車に乗っている人が多いせいか、マーケットプレイスに載ってすぐに売り切れているようで、連絡しても既に売れたという返答が多かった。(消してくれれば助かるのに)

たまたま運よく出品されて即連絡したところ、無事に80ユーロでナイスな自転車を購入することに成功した。

あまりに連絡が速かったのか、せどりかと勘違いされたが、確かにせどりをしたら儲かるかもしれないので、職にあぶれた時は自転車屋を開業しようかという案が浮上した。これはもしもの時の為に取っておくとする。

今回2台自転車を購入したのだが、2台目は中古自転車屋さんで購入。こちらの方が、購入前に直に自転車を見て選ぶことができるのでお勧めである。(Facebookで個人から買うよりはちょっと高いのがデメリットである)

2台目はこれまた90ユーロで良いものが買えた。しかしながら溢れる中古自転車感。乗るとどこともなくキーキーという物音をたてる。

これはこれで風情があると言えば無理やり風情を感じることもできるが、購入後1か月でタイヤがパンクした。

もう、なんというかズタボロ。何か刺さったとかではなく、ひたすらにズタボロなのである。

これではせっかく中古で購入したのに、タイヤ代で新品と同じ程度になってしまうんではないかと意気消沈したが、たまに起きるのがイタリアのミラクル、新しいタイヤは20ユーロで交換してもらえた。拍子抜けするほど安かった。

それなら何ゆえに自転車は高いのだろうか?という疑問が生じたが、安ければ安いに越したことはない。

余談だが、タイヤを直している時に「サドル(座るところ)が盗まれた」というお客さんが来訪、不憫だが周りにいた人みんな半笑いになってしまった。いやはや不憫である。

まぁそんなこんなで無事に修理も完了、後部にチャイルドシートもつけてサマースクールに通うことができ、一件落着である。

自転車の交通ルールは日本と同じで車道を走らなければならない。ただ日本と逆の右側通行なので、常に右側を走る。

せっかちな車にクラクションを鳴らされたりするが、イタリア人は息を吐くようにクラクションを鳴らすので、さして気にすることもない。

しかしこれで安心してはいけない。常に安全な場所に停車して鉄柱にガチガチに鍵を巻き付けておかないと盗まれるのだ。

マジカルバナナでいえば、自転車といったら 盗まれる なのである。

というわけで頑丈なチェーンロックを購入した。2つ付けである!

FRITZ!Box 6820

ABUS Steel-O-Chain 880 Lucchetto a Catena - Lucchetto per Bicicletta in Acciaio Temperato - con Cilindro automatico
FRITZ!Box 6820Looxmeer Lucchetto Bici Catena, Bicicletta Antifurto a Combinazione a 5 Cifre, Cilindro di Bloccaggio in Lega di Zinco, Rinforzato Resistente al Taglio per Biciclette, Motocicli, Scooter, Cancelli

高いよ鍵が。2つで60ユーロだともう少しで中古自転車が買えてしまう。

2台目用にも自転車屋さんで30ユーロの鍵を購入。計90ユーロ(約1万4千円)でもはや鍵貧乏である。

中古自転車を買い、その中古自転車が盗まれないように高い鍵を買うなどということは、いかにも貧乏くさい。しかし仕方がない、イタリアで自転車を買うということはそういうことである。

ABUSというブランドは今まで知らなかっただが、ものすごく頑丈なようで、街を見渡すとそこら中にABUSの鍵をしている自転車が見られた。ふむふむ、みんなの盗まれたくないという心意気が聞こえる様である。

しかしながらよく見ると、自転車本体だけ盗まれて、ABUSの鍵だけが残っていることすらある。これはひたすらに悲しい状況であり、ABUSの鍵から守り切れなかったという哀愁さえ漂っている。

ここまですれば私の自転車も盗まれないだろうという思いながらも、盗まれたら盗まれたで仕方がないので、5年盗まれなければ自分をほめてやりたいという心持ちで何とか自転車と付き合っていこうと思っている。

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